商品写真はバーチャルの世界へ
IKEAでは従来の写真撮影をCGに置き換える作業にずっと取り組んでいてその成果が徐々に現れつつあるのですがここでは10のメリットをあげています。
- コンピューター上で、想像し得る限りの環境を構築し、「撮影」できる。
- マウスを数クリックするだけで、色や素材を替えることができる。
- 不可能なショットが可能になる。
- 従来の写真撮影にかかった費用がカットできる。
- 将来的に、同一のシーンを再度セットアップすることもなくレンダーできる。
- 鮮度も一定で、傷や経年劣化の心配もない。
- 実際に商品がある必要はない。
- 想像し得るものならなんでもシーンに加える事ができる。
- 従来の撮影では光反射の調整が難しい物体も要望通りの照明効果に調整できる。
- 画像は如何なる解像度でも作ることができる。
IKEAの場合
- カタログをコアとしたビジネスモデル故、その作成に今まで多くのコスト、時間を掛けてきた。
- 製品の価格を下げる(2,3%)またはコンペティターとの競争などからコストダウンが常に求められている。
- 約9,000平方メートル(幕張メッセの半分ぐらいの大きさです)
- 285人のカメラマン、大工さん、インテリアデザイナー
担当者の方がいくつか具体的なメリットをあげています。
「セットは4つの壁を持つ(部屋なので)制約がある。その為に常にスペースが足りない。キッチンを今週作っては壊してその次はベッドルームを作る。そんなことの繰り返しなのでスケジュールは非常にタイト。 」
「仕分け地ごとに求められるものは異なる。例えば、アメリカでは暗い色が好まれる。対照的に日本でキッチンシステムを売ろうとした場合日本人は、北欧の人のように、明るい色を好む。こういった柔軟性はCGを使わないと実現できない。 」
「CGでは出来映えが完璧すぎるきらいがある。例えばペンキを塗り直した旧いドアを作る場合、大工さんがどの部分が色あせているか、ディテールがどうなっているかをよくわかっている。3Dアーティストを助けて製品をより良いものに仕上げることが出来る。」個人的にはスチールでこのように使われているのが興味深いですね。あと質感を求めるためにこれもきっちりとレイトレーシングをかけています。ということでこの記事に書かれているように全てがリアルタイム化という方向性はちょっと違います。もちろんハードウエアに投資してレンダリング時間を出来る限り短くすることは可能ですが。CGの資産が増えてくると(上に書かれたようにデジタルは劣化することなく再利用可能なので)ますますその方向に進んでいくでしょう。3DCGの利用比率は全カタログ内で今年は12%、来年は25%まであがるそうです。IKEA's New Catalogs: Less Pine, More Pixels にはCGか写真か当てるクイズがあります。試しにやってみてください。
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IKEA's New Catalogs: Less Pine, More Pixels