ここ一年ほど一緒にやっているパートナーとの案件が多くなってきたので3社共同でオフィスを借りることになりました。まあとにかく近くにいると便利であります。シナジー効果を出してより多くの案件を取っていこうとの意図です。
以下新住所です。
〒106-0032 東京都港区六本木4-8-7 六本木嶋田ビル 5F
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Tel: 03-4590-0356/Fax: 03-4590-1257
電話番号、メールアドレス等は今までと変わりません。
今後ともよろしくお願いいたします。
2012年12月3日月曜日
IKEAのビジュアライゼーション事例
ビジュアライゼーションの事例、最近は沢山出てきましたが、これはなかなかスケールの大きな、興味深い事例です。
IKEAでは従来の写真撮影をCGに置き換える作業にずっと取り組んでいてその成果が徐々に現れつつあるのですがここでは10のメリットをあげています。
IKEAの場合
担当者の方がいくつか具体的なメリットをあげています。
商品写真はバーチャルの世界へ
IKEAでは従来の写真撮影をCGに置き換える作業にずっと取り組んでいてその成果が徐々に現れつつあるのですがここでは10のメリットをあげています。
- コンピューター上で、想像し得る限りの環境を構築し、「撮影」できる。
- マウスを数クリックするだけで、色や素材を替えることができる。
- 不可能なショットが可能になる。
- 従来の写真撮影にかかった費用がカットできる。
- 将来的に、同一のシーンを再度セットアップすることもなくレンダーできる。
- 鮮度も一定で、傷や経年劣化の心配もない。
- 実際に商品がある必要はない。
- 想像し得るものならなんでもシーンに加える事ができる。
- 従来の撮影では光反射の調整が難しい物体も要望通りの照明効果に調整できる。
- 画像は如何なる解像度でも作ることができる。
IKEAの場合
- カタログをコアとしたビジネスモデル故、その作成に今まで多くのコスト、時間を掛けてきた。
- 製品の価格を下げる(2,3%)またはコンペティターとの競争などからコストダウンが常に求められている。
- 約9,000平方メートル(幕張メッセの半分ぐらいの大きさです)
- 285人のカメラマン、大工さん、インテリアデザイナー
担当者の方がいくつか具体的なメリットをあげています。
「セットは4つの壁を持つ(部屋なので)制約がある。その為に常にスペースが足りない。キッチンを今週作っては壊してその次はベッドルームを作る。そんなことの繰り返しなのでスケジュールは非常にタイト。 」
「仕分け地ごとに求められるものは異なる。例えば、アメリカでは暗い色が好まれる。対照的に日本でキッチンシステムを売ろうとした場合日本人は、北欧の人のように、明るい色を好む。こういった柔軟性はCGを使わないと実現できない。 」
「CGでは出来映えが完璧すぎるきらいがある。例えばペンキを塗り直した旧いドアを作る場合、大工さんがどの部分が色あせているか、ディテールがどうなっているかをよくわかっている。3Dアーティストを助けて製品をより良いものに仕上げることが出来る。」個人的にはスチールでこのように使われているのが興味深いですね。あと質感を求めるためにこれもきっちりとレイトレーシングをかけています。ということでこの記事に書かれているように全てがリアルタイム化という方向性はちょっと違います。もちろんハードウエアに投資してレンダリング時間を出来る限り短くすることは可能ですが。CGの資産が増えてくると(上に書かれたようにデジタルは劣化することなく再利用可能なので)ますますその方向に進んでいくでしょう。3DCGの利用比率は全カタログ内で今年は12%、来年は25%まであがるそうです。IKEA's New Catalogs: Less Pine, More Pixels にはCGか写真か当てるクイズがあります。試しにやってみてください。
商品写真はバーチャルの世界へ
IKEA's New Catalogs: Less Pine, More Pixels
ラベル:
3DCG,
IKEA,
ビジュアライゼーション
2012年10月23日火曜日
IMPRESS3Dに参加してきました
Pi-VR社が主催するイベントIMPRESS3D 2012が10/11~12にベルリンで行われました。VREDユーザのみならず3Dビジュアライゼーションに関わる多くの人が参加するイベントです。ドイツでのユーザー事例や最新テクノロジーに直接触れられる大変興味深いイベントです。今年で二回目となりますが筆者は昨年から参加しています。面白いのはドイツ人って意外とオープンでして、自動車メーカーの方やその他いろんな人とお話ししたのですが、こちらの質問などもかなり親切に教えてくれます。個別のプログラム内容などは公式サイトに譲るとして僕が感じた全体の内容、印象をお話ししようと思います。あちらのトレンドといってもいいかもしれません。以下、個別に考えてみます。
イベントが行われたMeilenwerk Berlin
サーバ側のPCとクライアントのiPad。iPadで車を回すとサーバ側で反応してその結果を返す
クラウドに関してはマイクロソフトとの提携が発表されていました。Windows Azure上で動作するようです。VREDの計算をクラウド上で行えるようになります。インスタンスごとに(当たり前ですが)料金設定が行われる本格的な ものです。これはセキュリティの問題もあるので一概にはいえませんが、基本的にユーザの選択肢が増えるのは素晴らしいことだと思います。
化というのはそもそもハードウエアリソースを増やして計算を速くする手段でもあります。デザインレビューでもコンテンツ作成でもある程度のク
オリティを確保したい場合レイトレーシングは必須となります。
そのクオリティをきちんと実現しようとするとプログレッシブフォトンマッピングが必要となります。パストレーシングだけでは機能が足りません。そしてその場合現状ではCPU上での計算となります。GPUタイプのレイトレーシングでは不可能です。
また、レイトレーシングを掛ける掛けないに関係なく大容量のデータを扱う場合、GPUですとメモリーの制約が大きくなります。ビデオカードのメモリー以上 のものは読み込めません。RAMの場合は比較的容量が大きく、増設も容易です。これはプラントなどの大きなデータを表示する場合に有効な手段です。新バー ジョンではRAMに読み込んでレイトレースを掛けないで表示する機能を備えるようです。
いう仕組みです。具体的にはNXで宛てたマテリアルがそのままVREDに渡る、というものです。これ上に上げた項目の中では一番地味ですが非常に便
利なものです。CAD側のマテリアルとVRED側のマテリアルをDB上で予め紐づけておくという作業が必要になります。
ユーザのワークフローをチャート化したもの
当然といえば当然なのですがあちらでは上のような方向性で今後(しばらくは)進んでいくようです。3Dビジュアライゼーションは必須のものではな い、と考えられがちなのですが、ドイツに関する限りかなり認知された技術のようです。専門の部署はなくてもやっているという事例もありました。この場合は 解析の部署でした。データの収集や変換という一手間があるのであまり行われなかったり、外部に丸投げという場合が日本では多いのですが、ツールの価格もこ なれて良いトランスレータも出てきたのでもう少しポピュラーになる可能性があると感じました。
ユーザー事例1
ユーザ事例2
ユーザー事例3
イベントが行われたMeilenwerk Berlin
ウェブ/クラウド化
思ったより(というよりこちらが遅れているだけか)ずっと進んでいます。用途は様々で遠隔地でのデザインレビュー(VWといたるデザインの事例が紹 介されていました)オンラインコンフィギュレータ(Skodaのサイトでは既にユーザが選んだ車をレイトレーシングして出力するということが既に行われて います)などがありました。興味深いのはストリーミング的な技術が採用されていることでした。VREDは元々単体でウェブサーバとして動作するのですが例 えばクライアントがモデルを操作するとサーバがそれを受けて情報を返します。その際一連の動作を圧縮して流します。(動画のストリーミングとこの辺り一緒 です)。それをクライアント側で表示する、というものです。これ一種のお手軽サーバとしては非常に快適で例えば社内でタブレットを使ってプレゼン、なんて ことも出来ちゃいます。サーバ側のPCとクライアントのiPad。iPadで車を回すとサーバ側で反応してその結果を返す
クラウドに関してはマイクロソフトとの提携が発表されていました。Windows Azure上で動作するようです。VREDの計算をクラウド上で行えるようになります。インスタンスごとに(当たり前ですが)料金設定が行われる本格的な ものです。これはセキュリティの問題もあるので一概にはいえませんが、基本的にユーザの選択肢が増えるのは素晴らしいことだと思います。
iPad/タブレット
上記のストリーミングに関してですがiPadではVREDのVariantsをそのまま読み込んで表示できます。つまりプログラミング等が一切不要 なのですがこれは便利ですね。タブレットが果たしてどれだけ普及するのかは未知数ですが、例えばコンフィギュレータ的な使い道を考える場合、便利で使いや すいプラットフォームとなります。レイトレーシング
レイトレーシング化はますます進みます。ラスタライズがすぐになくなることはないですが(VR的な用途では逆に必要)、上記のウェブ/クラウド化というのはそもそもハードウエアリソースを増やして計算を速くする手段でもあります。デザインレビューでもコンテンツ作成でもある程度のク
オリティを確保したい場合レイトレーシングは必須となります。
そのクオリティをきちんと実現しようとするとプログレッシブフォトンマッピングが必要となります。パストレーシングだけでは機能が足りません。そしてその場合現状ではCPU上での計算となります。GPUタイプのレイトレーシングでは不可能です。
また、レイトレーシングを掛ける掛けないに関係なく大容量のデータを扱う場合、GPUですとメモリーの制約が大きくなります。ビデオカードのメモリー以上 のものは読み込めません。RAMの場合は比較的容量が大きく、増設も容易です。これはプラントなどの大きなデータを表示する場合に有効な手段です。新バー ジョンではRAMに読み込んでレイトレースを掛けないで表示する機能を備えるようです。
オートメーション
VREDの場合大抵は3DCADからのデータを変換して軽量化、マテリアルを配付するという作業が最初に行われます。この部分を自動化してしまおうという仕組みです。具体的にはNXで宛てたマテリアルがそのままVREDに渡る、というものです。これ上に上げた項目の中では一番地味ですが非常に便
利なものです。CAD側のマテリアルとVRED側のマテリアルをDB上で予め紐づけておくという作業が必要になります。
ユーザのワークフローをチャート化したもの
真ん中のVRがビジュアライゼーション領域 |
当然といえば当然なのですがあちらでは上のような方向性で今後(しばらくは)進んでいくようです。3Dビジュアライゼーションは必須のものではな い、と考えられがちなのですが、ドイツに関する限りかなり認知された技術のようです。専門の部署はなくてもやっているという事例もありました。この場合は 解析の部署でした。データの収集や変換という一手間があるのであまり行われなかったり、外部に丸投げという場合が日本では多いのですが、ツールの価格もこ なれて良いトランスレータも出てきたのでもう少しポピュラーになる可能性があると感じました。
ユーザー事例1
ユーザ事例2
ユーザー事例3
VREDサイトをオープンしました
データプレップ(読込やデータ整理)
- サポートするデータフォーマット KeyShotの方が多い。
- データ変換精度 VRED Essentialsが優位(上位製品とは異なりますがなかなかいいトランスレータを積んでいます)
- データ整理 KeyShotより多くの機能を備えています(データリダクション、データ整理など)
レンダリング UIや操作のしやすさ
- KeyShotのほうが直感的です。但しVREDも今バージョンでだいぶ良くなりました。
- レンダリングスピード VREDのほうが高速
- マテリアルなど KeyShotのほうが予め用意されたライブラリは多いです。サブサーフェススキャタリングなどの機能はほぼ一緒。
詳しい比較はまたいずれやってみたいのですが、KeyShotに比べての優位点は現状
- レイトレースの計算が速い
- カメラ 下記ウインドウ(これはVRED Proのものですが機能は一緒)のようにハイエンド製品と同じ多くのパラメータを備えています。
- レンダーパス これ現状KeyShotには無いものですね。
- OpenGLライト HDRI以外にもライトを置くことが出来ます。
- ファイル出力 .mbや.fbxに出力できます。 といったあたりでしょうか。
VRED Proのカメラ設定画面
逆に劣るところは
- UIや操作性 日本語インターフェースが無い
- デフォルトのマテリアルライブラリの数が(KeyShotに比べると)少ない
となります。 面白いことに、KeyShotで「これが出来たら良いな」という部分がVREDでは可能だったりします。これは決して偶然というわけではなく、求められる機能が大体似通っているのと各製品には必ず長所、短所があるということに尽きると思います。ソフトというのは一製品だけで完結することはあまりなくて筆者=長谷川的には両方使ってもいいと考えています。KeyShotもVRED Essentialも価格があまり張らないエントリーレベルの製品であります。またVREDはデータ変換/出力の部分が強いので(現状サポートしているCADデータはIGES, STEP, CATIA, NX, Pro/Engineer, SolidEdge, SolidWorks, JTその他)トランスレータ用途としても充分実用に耐えます。(それだけではもったいないですが)。トランスレータに特化したソフト(例えばDeepExplorationなど)よりも良いテセレータやレンダラーを備えています。KeyShotの場合データの読込にやや難がある場合も時に見受けられるのでこういったツールを使って業務を補完するのも良いやり方かもしれません。 価格はノードロック版が¥190,000となります。(アニメーションが標準でついているので価格もちょうどKeyShot+アニメーションモジュールと同等となります。)PC/Mac両プラットフォームで動作します。この辺りはKeyShotと一緒です。またHDR Light Studioのプラグインも(これもKeyShot同様)用意されています。専用サイトはこちらになります。デモ版も用意されていますのでお時間のある時に是非一度試してみてください。(KeyShotとはちょっとデモライセンス申請の方法が異なります)。繰り返しになりますがKeyShot同じぐらい良い製品です。是非皆さんのお仕事に活かして頂きたいと思います。
VREDオフィシャルサイト
VRED Essentialsでレンダリングした製品
2012年2月29日水曜日
お知らせ
いつもお世話様です。
さて、長谷川は3/9まで海外出張(主にスイス、ジュネーブ)で不在となります。ご注文は通常通り行えますが、御質問の回答は少し遅れることがあります。また電話は出られない場合がありますのでなるべくメールでお願いします。ご迷惑をおかけ致しますがよろしくお願いいたします。
今日見たらジュネーブの気温も3度、少しずつ暖かくなってきているようです。今年のヨーロッパは大寒波で一時はどうなることかと思いましたがほっとしております。あと、問題はスイスの物価高だけでしょうか。いやホントあの国はモノが高いのですよ。スイス貧乏(という言葉があるかどうか定かではありませんが)というやつにならないよう気をつけます。
さて、長谷川は3/9まで海外出張(主にスイス、ジュネーブ)で不在となります。ご注文は通常通り行えますが、御質問の回答は少し遅れることがあります。また電話は出られない場合がありますのでなるべくメールでお願いします。ご迷惑をおかけ致しますがよろしくお願いいたします。
今日見たらジュネーブの気温も3度、少しずつ暖かくなってきているようです。今年のヨーロッパは大寒波で一時はどうなることかと思いましたがほっとしております。あと、問題はスイスの物価高だけでしょうか。いやホントあの国はモノが高いのですよ。スイス貧乏(という言葉があるかどうか定かではありませんが)というやつにならないよう気をつけます。
2011年9月6日火曜日
面白い映像を
とても興味深い映像を見つけましたのでアップします。
言い遅れましたが、作者のCatmullさんはピクサーの創業者、RenderManの生みの親でもあります。当時、彼の周りにはJim Clark(SGIの創業者、後のNetScapeの創業者)、John Warnock(Adobeの創業者)Martin Newell(ご存じVellumの生みの親ですね)等々蒼々たるメンバーが揃っていました。
Rendering of Ed Catmull’s Hand from 1972というタイトルのエントリーですが、ここで紹介されているビデオなんと40年前のものです。おそらく人類が最初に作ったCGかもしれません。驚くべきことにここで紹介されているレンダリング手法、今でも一般的に使われているものです。進歩が無いというべきなのか、先駆者の手法があまりに優れていたため他の方法が未だ開発されていないのかその辺りはよくわかりませんが。
言い遅れましたが、作者のCatmullさんはピクサーの創業者、RenderManの生みの親でもあります。当時、彼の周りにはJim Clark(SGIの創業者、後のNetScapeの創業者)、John Warnock(Adobeの創業者)Martin Newell(ご存じVellumの生みの親ですね)等々蒼々たるメンバーが揃っていました。
40 Year Old 3D Computer Graphics (Pixar, 1972) from Robby Ingebretsen on Vimeo.
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